うんこテロ
うんこテロはいつ始まったのかは分からない。
話題になったときは既にどこにでも起こりうることになっていた。
最初の記事は
住宅街でいつも夜になると不法駐車している車について
その車のドアノブにうんこが塗りつけられたことである。
オーナーは自分が悪いことをしたとしても、
やりすぎたと警察に訴え、警察は器物損壊として受け付けたものの
いまだ未解決である。その後、その車は全体にウンコが
塗り付けられ、車は廃車となった。
この記事がネットに出ると、模倣犯が全国に広まり、
ほとんどが未解決なので、不法駐車は全国的に減ったとのことである。
また、起訴の近くまで行った案件もあったが、無罪となった。
DNA鑑定をした結果、多数のDNAが入り混じっており、かつ容疑者の
DNAがないので証拠としては確定できなかったとのことである。
どうやら、人間、犬、猫、家畜などの多数の糞尿をブレンドした
うんちチューブが流通しているらしいということまでは判明したが、
正犯、従犯、幇助、教唆をたどることはできなかったようだ。
包丁のようなもので、包丁よりもさらに特定しにくいようだ。
個人の反乱が始まった。気に入らない隣人の家に向けてウンチ瓶を
投げつける。おかげで、監視カメラメーカーは受けに入った。
一家に最低4台、すなわち家の四隅と死角を記録するためである。
また、記録装置もセットなので、これから就職するのは監視カメラ
メーカーだと後輩には言っている。
さらに大手企業など、テロの標識となるようなところには日常的に
ウンチ瓶が投げつけられるようになった。警察も機動隊も例外ではない。
新しい標識ができた。ウンチテロが世界中に蔓延した結果、そこに行って、
くさくない国がよい国であるという指標ができた。
現在、よい国の上位は砂漠の国である。理由は対象が少なく広いから、
においが希釈されるとの理由であるそうだ。